確定拠出年金/基礎年金

SBI証券iDeCoのオリジナルプランからセレクトプランへ移行しない3つの理由

SBI証券で個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)、以下、iDeCo」の積み立てを続けて5年目のしんのすけです。

SBI証券では、2018年11月1日からiDeCoに新しいプラン「セレクトプラン」が導入されました。これは2005年から提供が開始された現行のオリジナルプランとは別物になっていて、「低コスト」と「多様性」を全面に出した新しいプランとなっています。基本的にiDeCoは長期投資を前提とした制度となっているので、「低コスト」の商品を選択することは資産を運用する上で非常に重要となってきます。

「セレクトプラン」は後出しのプランだけあって、選択できる商品はなかなか良さそうな商品がラインナップされています。中には一部「?」な商品もありますが、そのようなものは選択しなければ良いだけです。

ちなみに加入者はどちらか一方のプランしか選択することができません。すでに加入している人がプランを変更する場合、資産をすべて売却して現金化してから移換する必要があります。

なにかと煩わしい作業が発生するため、移換する際には十分に検討する必要があります。結論から言ってしまうと、私の場合、オリジナルプランからセレクトプランへ移行するメリットがあまりないと感じ変更しないことに決めました。

iDeCoに関してはこのような記事も書いています。

 

以下、セレクトプランに変更しない理由について、詳しく解説していきます。

新旧プラン投資商品の比較

新プランの投資商品の一覧は、公式サイトを確認してもられば分かることなのでここでは省略します。投資している現行プランの商品と移換する場合の新プランの商品に絞って比較検討してみたいと思います。

現行プランで積み立てている商品

  • あおぞらDC定期(1年)
  • 三井住友DCつみたてNISA日本株インデックスファンド
  • DCニッセイ外国株式インデックス
  • EXE-i 新興国株式ファンド
  • EXE-i グローバル中小型株式ファンド
  • 三井住友・DC外国リートインデックスファンド

現行プランで投資している商品は全部で6つ。現行プランから新プランへ移換する場合には可能な限り似たような投資対象を選択して、コストを比較していきます。

元本確保型

現行プラン新プラン信託報酬率の差
商品名信託報酬率商品名信託報酬率引き分け
あおぞらDC定期(1年)-あおぞらDC定期(1年)--

新旧プランともに同一の商品「あおぞらDC定期(1年)」があるため、比較検討を行う必要なし。

日本株式

現行プラン新プラン信託報酬率の差
商品名信託報酬率商品名信託報酬率新プランの勝ち
三井住友DCつみたてNISA日本株インデックスファンド0.1728%eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)0.17172%▲0.00108

「三井住友DCつみたてNISA日本株インデックスファンド」はTOPIXに連動しているため、新プランでは「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」を選択。「▲0.00108%」とわずかではありますが、eMAXIS Slim国内株式の方が有利となっています。まあ、この程度の差であれば誤差の範囲内といってよいでしょう。

先進国株式

現行プラン新プラン信託報酬率の差
商品名信託報酬率商品名信託報酬率新プランの勝ち
DCニッセイ外国株式インデックス0.20412%eMAXIS Slim先進国株式インデックス0.11772%▲0.0864

「DCニッセイ外国株式インデックス」の代替え商品として「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」を選択。「▲0.0864%」とわずかではありますが、eMAXIS Slim先進国株式の方が有利となっています。それでも0.1%以内に収まっています。

新興国株式

現行プラン新プラン信託報酬率の差
商品名信託報酬率商品名信託報酬率新プランの勝ち
EXE-i 新興国株式ファンド0.3794%eMAXIS Slim 新興国株式インデックス0.20412%▲0.17528%

「EXE-i 新興国株式ファンド」の代替え商品として「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」を選択。「▲0.17528%」となり、eMAXIS Slim 新興国株式の方が有利となっています。この新興国株式の差が一番大きいのですが、投資割合としては先進国株式より少なくなっているので、ポートフォリオ全体で考えると影響は軽微になります。

全世界株式

現行プラン新プラン信託報酬率の差
商品名信託報酬率商品名信託報酬率引き分け
EXE-i グローバル中小型株式ファンド0.3304%EXE-i グローバル中小型株式ファンド0.3304%-

新旧プランともに同一の商品「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」があるため、比較検討を行う必要なし。

先進国REIT

現行プラン新プラン信託報酬率の差
商品名信託報酬率商品名信託報酬率引き分け
三井住友・DC外国リートインデックスファンド0.2916%三井住友・DC外国リートインデックスファンド0.2916%-

新旧プランともに同一の商品「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」があるため、比較検討を行う必要なし。

まとめ

新しいプランの「セレクトプラン」は「低コスト」を謳っているだけのことはあり、「eMAXIS Slimシリーズ」を中心とした信託報酬が安いインデックスファンドが充実しています。これからSBI証券のiDeCoを開始する人は「セレクトプラン」を選択しておけばまず間違いないでしょう。

問題は、現行プランを利用している人が、「セレクトプラン」に移行する必要があるのかどうかです。私は以下の理由から移換は見送ることにしました。

  1. 信託報酬率の差は大きくても0.1台なので移行によるコスト削減効果がほとんどない
  2. 売却時に発生する「信託財産留保額」も考慮するとむしろマイナスをカバーできない可能性もある
  3. 移管するためには現在の商品をすべて売却して現金化してから移換する必要あり手間&期間がかかる

 

積み立て年数および投資している商品とポートフォリに占める商品の割合にもよりますが、メリットとデメリット両方を考慮すると、ほとんどの現行プラン組の投資家は無理に移換する必要ないと判断します。

慌てて新しいプランに飛びつかず、自分のケースに当てはめてじっくりと比較検討することをおすすめします。

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運用実績

【2009年】10,783,014円  10.57%

【2010年】11,047,766円  -5.07%

【2011年】13,708,538円  -1.67%

【2012年】15,964,381円  9.66%

【2013年】19,907,637円  18.37%

【2014年】21,911,768円  6.41%

【2015年】22,292,459円  -0.94%

【2016年】24,211,147円  5.91%

【2017年】25,735,830円  4.21%

【2018年】27,267,608円  0.92%

【2019年】29,632,758円  5.53%


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