アメリカにあるマーサーというコンサルティング会社が、世界人口のおよそ3分2を網羅している37カ国の年金制度を比較する「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数(MMGPI)」というランキングを毎年発表しています。
2019年度の最新ランキングが発表されており、この中で日本の年金システムも評価対象としてランキングされています。TOP3にランクインした国は、1位にオランダ(ランクA)、2位にデンマーク(ランクA)、3位にオーストラリア(ランクB+)となっています。
その他、トップ10には、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、チリなどがランクインしています。(すべてランクB)
▼MELBOURNE MERCER GLOBAL PENSION INDEX[PDF]
日本の年金制度はランクD、韓国や中国よりも評価が低いという現実
日本の年金システムは世界37カ国中31位で、ランクDの評価となっています。同じランクDには以下のような国が入っています。
- 中国
- 韓国
- 日本
- インド
- メキシコ
- フィリピン
- トルコ
- アルゼンチン
- タイ
同じグループでも上に表示されている国の方が順位は上になります。つまり中国や韓国よりも日本の年金システムは悪いということになります。
ちなみにランクDの評価は以下の通り。
A system that has some desirable features, but also has major weaknesses
and/or omissions that need to be addressed. Without these improvements,
its efficacy and sustainability are in doubt.
ざっくりとGoogle翻訳で訳すと「いくつかの望ましい機能を備えているが、大きな弱点もあるシステムで対処する必要がある。これらの改善がなければ、その機能と持続可能性は疑わしい。」との評価となっています。
ちなみにランクDの下にはランクEが存在していますが、Eランクに該当する国は存在していないので、事実上ランクDが最低評価となっています。
日本の年金システムはやっぱりやばいですね。
受給年齢のさらなる引き上げはもはや避けては通れない
日本の評価は、十分性、持続性、健全性のいずれも低い評価となっていますが、特に持続性が際立って悪い評価を受けています。
対処方法としては、「家計の貯蓄レベルを上げる」「年金の受給年齢の引き上げ」などが挙げられています。
これからさらなる少子高齢化社会を迎えることが確定しているので、「年金の受給年齢の引き上げ」はもはや既定路線でしょうね。
高齢になっても働き続ける未来を想定しつつ、政府には少子化対策および抜本的な年金改革を早急に行ってもらう必要がありそうです。これ以上状況が悪化しないように出来ることからどんどんをやっていってもらいたいものです。
ただ、政治家は責任を取りたくないために、このままダラダラと何もしないという状況が続きそうで怖いですね。今年金をもらっている世代は勝ち逃げ、若い人は日本に見切りをつけて海外へ脱出、現役世代は茹でガエル状態となりそうな予感がします。
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