「医師が本当に実践しているツッコミ健康法」という本を読んでみました。この本では現役の医師が、巷にあふれている有名健康本や健康食品などに対してツッコミをしつつ、その信憑性について医師ならではの評価を行なっています。
医療や健康情報を読み取る力(リテラシー)がいろいろ紹介されていますが、ここではインチキ健康法のカモにならないための9つのポイントをピックアップしたいと思います。
1.○○するだけでXXできる
「体温を上げるだけ・・」「主食をやめると・・」「巻くだけで・・」などは、基本的にインチキだと思ってまちがいないそうです。
人間だれしも楽して健康をGETしたいものです。ただ、あたかも1つの方法だけで、解決できるような健康法には飛びつかないほうが無難です。
2.良くなった例しか紹介していない
大切なのは分子の数ではなくて、分母の数。100人に効果があったと言っても、全体が1千人なのか、1万人なのかで意味合いは全く違うものになります。
分母の数を言わない、健康法や健康食品には気をつけたほうがよいでしょう。
3.デメリット、副作用は記載されているか?
薬や健康食品、健康法であっても、副作用のないものは存在しないと思って間違いないそうです。
つまり、「副作用がまったくない」と謳っているものは、身体への効果がないと考えられます。デメリットや副作用の記載のないものは、まず疑ってかかったほうが賢明です。
4.根拠に無理があるか、まったく根拠がない
テレビや雑誌などで取り上げられた健康法や健康食品であっても、エビデンス(科学的根拠)があいまいなものが多くなっています。
著者自身の体験や個人的な体験談など統計数値や実験結果などが乏しいものには十分に注意が必要です。
5.動物実験レベルまでしか実証されていない
医薬品については、動物はもちろん人を対象とした実験を行ったうえで、厳しい審査を通過したものだけが使用されます。
その一方で、健康食品や健康法などはそのような規制はなく、動物実験レベルのものがほとんどだそうです。動物に効果があったからといって、必ずしも人間に効果が出るとは限らないことは理解しておいた方がよさそうです。
6.著者の専門分野がちがう
健康本の信頼度を判断する上で気をつけなければいけないことは、本の内容が著者の専門分野であるかどうかです。
専門分野やそれに近いものであればよいのですが、まったく畑違いの分野の本について書いてあるときには注意が必要です。
7.「だれ得?」を見極める
健康本の中で、しきりに特定の商品だけを強調する場合には注意が必要です。本当にいい商品を紹介するのであれば良いのですが、その商品を売りたいがために紹介している場合も結構あります。
「本当はいったい誰が得をするのか?」という視点からもチェックしてみましょう。
8.参考文献リストがない
健康本の信憑性を高めるためには、参考文献が非常に大切になってきます。もし、巻末などに参考文献がまったくリストアップされていないようであれば、その本は信憑性という点では疑問府がつくことになります。
9.論文発表されていない
医師が発見した画期的な健康法であれば論文として発表されていてもおかしくありません。
「ランセット」や「サイエンス」「ネイチャー」など有名な医学誌や科学誌に掲載されたことのあるものなら信頼できるものであると判断できます。
まとめ
「それで、結局どんな健康法が良いのよ?」という話になりますが、不動の健康法として「喫煙」「適度な飲酒」「適度な食生活」「運動」の4つがエビデンスのある健康法として挙げられています。
健康になるためのショートカットなんてものはなく、地道に王道を進むしかないということですな。
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